内部統制ってなに?

内部統制の基本的枠組み

 「内部統制」は、会社組織の効率的な運営に深く関わるものです。
 
 しかし、その影響範囲はグループ会社全社にわたって幅広く、無意識に行われている「内部統制」も多いため、長年会社に属していても理解が難しいものです。
 
 「内部統制」という言葉すら馴染がない人も少なくないでしょう。

 上場準備プロジェクトへの参加や、内部監査部門への異動、監査法人対応など、「内部統制」の構築やその評価に携わるタイミングが突然やってくるかもしれません。

 この記事では、まず「内部統制」の基本的なとらえ方についてまとめました。

内部統制とは

そもそも「内部統制」ってなに?

 「内部統制」とは、会社がミッションやビジョンなどの組織目標を達成するために、効率的かつ健全な組織運営を行っていくための仕組みのことです。

 指名委員会等設置会社や監査等委員会設置会社、および大会社には内部統制の整備に係る事項について決定する義務があります。

 また、上場会社の場合は、経営者は内部統制報告書を開示し、監査法人などの監査人がこれを監査しなければなりません。
 
 これらの会社はステークホルダーが多く、社会的影響力も大きいことから、経済市場の信頼性を支える役割を担っているといえます。

 そのような観点でみると、内部統制を積極的に活用して適正に会社運営を行うことは、社会的にも意義があると考えられます。

組織目標を達成するための内部統制とは

 金融庁が公表している「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」(以下「内部統制基準」という)には、内部統制について以下のように定義されています。
https://www.fsa.go.jp/news/r1/sonota/20191213_naibutousei/1.pdf

 内部統制とは、基本的に、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全の4つの目的が達成されているとの合理的な保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいい、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング(監視活動)及びIT(情報技術)への対応の6つの基本的要素から構成される。

いきなり難しい……

 簡単にいうと、「4つの目的」を達成するために、内部統制において「6つの基本的要素」を確立させよ、ということです。

会社法と金融商品取引法における内部統制の目的の違い

 内部統制を法律として明文化したものとして、会社法に基づく内部統制と、金融商品取引法に基づく内部統制があります。

 なお、一般的に「J-SOX」とは、金融商品取引法に基づく内部統制のことを指しています。

 会社法では4つの目的すべてを「内部統制」の対象としていますが、金融商品取引法においては、4つの目的のうち「財務報告の信頼性」のみを内部統制の主たる目的としています。

 ただし、4つの目的は相互に関連し合っているため、「財務報告の信頼性」を確保するためには、残り3つの目的も達成する必要があります

内部統制のイメージをつかむために

もっと具体的に!

 「内部統制」の4つの目的と6つの基本的要素について大まかにイメージがつかめるように具体例で表してみます。

<具体例>

 経理部門は毎月販売管理システムを利用して売掛金の年齢表を作成しています。

 滞留債権があった場合、営業部門に報告します。営業部門が滞留の原因を調査した結果、売上の架空計上であったことが判明しました。

 この事案は営業部門長によってリスク管理委員会、営業会議および経営会議において報告されました。

<内部統制の基本的要素との関連>

・統制環境:売掛金の滞留確認等について、経理規程等によって規定されています。

・リスクの評価と対応:リスク管理委員会が設置されています。

・統制活動:売掛金年齢表を作成し、滞留状況を把握しています。

・情報と伝達:架空計上の情報が営業会議、経営会議に報告され、情報共有されています。

・モニタリング(監視活動):内部監査部門において規程どおりに売掛金年齢表を作成していることを確認しています。

・IT(情報技術)への対応:販売管理システムの利用において管理マニュアルが作成されています。

<内部統制の目的との関連>

・財務報告の信頼性:売上・売掛金の虚偽記載を防止します。

・事業活動に関わる法令等の遵守:同上

ふりかえり

問題1 内部統制の4つの目的とは?
●(      )
●財務報告の信頼性
●事業活動に関わる法令等の遵守
●資産の保全

問題2 内部統制の6つの基本的要素とは?
●( ① )
●リスクの評価と対応
●統制活動
●情報と伝達
●( ② )
●IT(情報技術)への対応

問題3 金融商品取引法における内部統制の主な目的とは?

<解答>
問題1 業務の有効性及び効率性

問題2 ①統制環境   ②モニタリング(監視活動)

問題3 財務報告の信頼性

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