金融庁から株式会社グッドスピードの会計監査人である監査法人A&Aパートナーズに、グッドスピードの売上先行計上に関する通報があったことが伝えられ、また、A&Aパートナーズはグッドスピードの監査等委員会に、未登録・未入金・未納車の車両の売上計上や、決算月の不適切な在庫管理について疑義を指摘しました。
これを受け、グッドスピードは外部の専門家による第三者調査委員会を設置し、客観的かつ徹底的な調査を行うことを決定しました。
この記事では、同社が公表した第三者調査委員会の調査報告書に記載されている主な不正案件の内容とその発生原因に焦点を当てて要約しています。
※詳細は株式会社グッドスピード第三者調査委員会「調査報告書」(PDF)をご確認ください。
グッドスピードグループの概要
株式会社グッドスピード(2022年9月30日)
- 資本金:699,200千円
- 従業員:連結704名、単体609名
- 売上高:連結56,144百万円、単体51,939百万円
株式会社チャンピオン76(2022年9月30日)
- 資本金:30,000千円
- 株主:グッドスピード(100%)
事業内容
グッドスピードグループは、自動車販売及びその附帯事業の単一セグメントであり、中古車(四輪車)並びにバイクの新車及び中古車の販売、買取、整備・鈑金、保険代理店、レンタカー及びガソリンスタンドのサービスを提供しています。
受注から売上計上までのフロー
グッドスピード
1.基幹システム
- 自動車販売・整備業務支援システム「extreme」を使用
- 販売管理システムは2020年5月に「rakumoワークフロー」から「TASPRO」へ移行
- 会計システムはOBICを使用
2.販売プロセス
- 販売店で受注情報をextremeに入力
- 財務課で入金確認後、extremeに入力:通常支払いの場合は顧客からの入金、ローン利用の場合はローン会社からの入金
- 行政書士による名義変更手続き(数日以内)
- 納車準備と顧客への納車
3.納車確認
- 車両納品確認書を顧客から受領:2020年5月以前は紙媒体(手書き署名)、2020年5月以降は電子データ(タブレット上で署名)
- 販売担当者が販売管理システムで納車確定依頼
- 店長が納車確定承認
4.売上計上
- 経理部が入金情報と納品確認書を確認
- extremeに納車日を入力し売上計上
- OBICに会計データを取り込み
チャンピオン76
中古車販売店におけるフロー
チャンピオン76は主に国内メーカーの中古バイクを扱い、基本的な販売フローはグッドスピードと類似しています。ただし、現金払いの入金確認は店舗事務が行います。
また、販売管理システムにおいて、TASPROは未導入でrakumoワークフローのみを使用し、車両納品確認書は紙媒体です。
納車後の承認プロセスは販売担当者、店長、部長、管理部の順で行われ、管理部の承認時に売上計上されます。
モトラッド販売店におけるフロー
チャンピオン76はBMWの正規販売店として2店舗のモトラッド販売店を運営しています。これらの店舗では、BMW独自の管理システムとチャンピオン76のextreme・rakumoワークフローの両方を使用しています。
基本的な販売フローは中古車販売店と同様ですが、新車の場合は新車登録手続きを行います。
ハーレー販売店におけるフロー
2023年6月以前のフロー
チャンピオン76は、ハーレーダビッドソンの正規販売店として複数のハーレー販売店を運営しています。これらの店舗では、ハーレーダビッドソン独自の管理システム「H-D NET」を使用し、見積書作成や車両の注文・販売報告を行っています。
販売プロセスでは、H-D NETで見積書を作成し、管理部ではなく店舗事務が入金確認を行います。その後、新車登録または名義変更手続きを経て納車が行われ、完了時には保証登録書が顧客に交付されます。
しかし、2023年6月までチャンピオン76の標準的なシステム(extreme、rakumoワークフロー)は導入されていなかったため、車両納品確認書の受領ルールがなく、納車完了は店長から店舗事務へ口頭で伝えられ、エクセルで売上伝票が作成されていました。
毎月、店舗事務から管理部へ売上・仕入伝票が送付され、管理部で確認後、OBICへ直接データが取り込まれていました。管理部の確認は、仕入の適切な計上と前受金の消し込みに限られ、それ以上の詳細確認は行われていませんでした。
2023年7月以降のフロー
2023年7月以降、ハーレー販売店は他の販売店と同様にextremeとrakumoワークフローを導入し、売上計上プロセスを統一しました。
納車完了時には車両納品確認書を受領し、rakumoワークフローでデータをアップロードします。ただし、従来の売上・仕入伝票も参考に使用されています。
グッドスピードグループにおける収益認識基準
本調査の対象期間における収益認識は、以下の会計基準が適用されます。
- 実現主義(2018年9月期から2021年9月期)
- 収益認識基準(2022年9月期以降)
グッドスピード及びチャンピオン76は引渡基準による収益認識を採用しています。これは上記の会計基準の要件を満たし、適切な処理です。一方、本調査で明らかになった顧客への引渡し前の売上計上(先行計上)は不適切な会計処理とみなされます。
不正な売上先行計上の内容
グッドスピードとチャンピオン76の売上先行計上の概要
両社では、実際の納車前に売上を計上する「納車テイ」(納車未了にもかかわらず、納車した旨の社内処理を行い、売上計上すること)が行われていました。これには、
- 「登録テイ」(納車テイのうち入金及び登録(名義変更等)済みのもの)
- 「入金テイ」(納車テイのうち入金済みで登録(名義変更等)未了のもの)
などの種類がありました。
この不適切な処理は営業本部の指示や販売店の判断で行われ、多くの役職員が関与または認識していたことが確認されています。
グッドスピード営業本部による売上先行計上
グッドスピードでは、実際には納車が未了にもかかわらず、納車した旨の社内処理をすることによる売上の先行計上「納車テイ」が行われていました。
専務取締役A2氏の指示に基づき、四半期末や決算期末に、実際には納車が完了していない車両について納車したものとして売上計上していました。具体的な手法は以下のとおりです。
- 営業部長らが、入金済みで実納車未了の車両リストを作成
- 各営業部長が、管轄の販売店の各店長から、納車テイ対象車両の車両納品確認書をデータ(PDF)にて収集
- 各営業部長が車両納品確認書の日付欄に、実納車日とは異なる納車テイの処理日(売上計上日)を記入
- 各営業部長が販売管理システムでの納車確定を承認申請
各販売店の判断による売上の先行計上
営業本部からの指示がなくても、各販売店の店長や販売担当者の判断で納車テイが行われていました。この場合、車両納品確認書への記入や納車確認申請等の納車テイの処理は、各販売店の店長又は販売担当者によって行われていました。
チャンピオン76における売上の先行計上
チャンピオン76でも同様の納車テイが行われていました。チャンピオン76代表取締役のF1氏は、グッドスピードから設定された高い目標予算を達成するために、部長らに対して入金済みの車両については納車確定の手続をとるように指示していました。
発覚を回避するための各種措置
監査法人の棚卸立会時の車両移動等を含む棚卸時の対応
グッドスピードの棚卸作業では、QRコードを用いて在庫データとの突合が行われ、一部店舗ではA&Aパートナーズによる立会監査も実施されていました。しかし、納車テイ処理された車両が存在することで、実際の在庫とシステム上の記録に不一致が生じる問題がありました。
2019年9月期の決算時にA&Aパートナーズから指摘を受けた後、グッドスピードは以下の対策を講じました。
- 納車テイ車両のQRコードを読み取らない指示
- A&Aパートナーズの立会監査予定店舗での納車テイ処理を避ける
- 必要に応じて、監査前に納車テイ車両を別の場所に移動
コールセンター課との連携
グッドスピードでは、上場前から納車完了後に顧客へお礼の電話を行っていましたが、納車テイによる不一致が発生し、クレームに発展することがあり、以下のような対策がとられました。
- NGリストの作成:納車テイ車両に連絡しないよう、店長らから情報を収集
- アンケートハガキ方式への変更:引き続きNGリストを作成
- SMS方式の導入(2021年10月〜):NGリストを基に送信対象を選別
2022年12月以降は、店長らからのNGリスト集約ではなく、経理部D1氏が保有する営業本部指示の納車テイリストをNGリストとして使用するよう変更されました。これにより、アンケート送信件数を増やしつつ、組織的に管理された納車テイのみを除外する体制が整えられました。
内部監査室長への要請
内部監査室長C1氏は、2022年9月期の決算時に専務取締役A2氏から納車テイに目を瞑るよう要請されました。
不正の発生原因
概要
グッドスピードグループでは、納車テイによる売上先行計上が長期間、広範囲で行われ、多くの役職員が関与または認識していました。この慢性化の原因は、営業偏重の企業風土、コンプライアンス意識の欠如、不適切な組織体制や内部統制の問題など、組織全体の課題にあったと考えられます。
上司からの指示に対する役職員の服従
グッドスピードでは、専務取締役A2氏の指示のもと、営業本部による売上の先行計上が行われていました。A2氏は強いリーダーシップを発揮し、厳しいプレッシャーをかけていました。このため、取締役のA3氏や元経理部長D1氏も、A2氏の指示に従わざるを得ない状況でした。
さらに、実際の納車テイ処理は営業部長や店長らが行っていましたが、多くの従業員が上司の命令は絶対だったと述べています。
業績目標・予算達成に対する執着
グッドスピードの売上先行計上の主な目的は、A2氏が設定した高い業績目標・予算の達成でした。多くの従業員は、この予算が実現困難だったと述べています。
A2氏は予算達成に強い執着を持ち、納車テイを用いてでも目標を達成しようとしました。その背景には、金融機関からの融資確保の必要性や、自身をグッドスピードの実質的な社長と見なす意識がありました。
代表取締役社長A1氏からの直接的な圧力があったかは不明ですが、A2氏自身が会社の成長のために利益確保が必要だと考えていました。
また、営業部長等も、自身の役割や人事評価への影響を意識し、予算達成に執着していました。
営業偏重の企業風土
グッドスピードの売上先行計上は、組織全体で行われていました。具体的には以下の点が挙げられます。
- 登録課の事務処理マニュアルに納車テイの取扱いが明記
- コールセンター課によるNGリストの作成と運用
- 経理部の能動的関与
- 人事総務部とのリスト共有
- 他部署との連携
この状況の背景には、A2氏を頂点とする組織構造があり、営業部門偏重の企業風土が形成されていました。取締役兼管理本部長A4氏やD1氏、CRM事業部コールセンター課長D3氏の証言からも、A2氏や営業部門の意向に逆らえない雰囲気があったことがわかります。
結果として、グッドスピード全体で売上先行計上の発覚を回避する措置や、それを前提とした事務手続きが行われていました。
インセンティブ報酬制度
各販売店の店長又は販売担当者には、販売店の月次の目標数値を達成した場合にインセンティブが付与されていたため、当該インセンティブを得るためという積極的な動機もあったことが認められます。
経営陣の関与・認識
代表取締役社長A1氏
A1氏は、グッドスピードの代表取締役として、専務取締役A2氏から報告を受けて営業本部による売上の先行計上が行われていたことについて、ある程度の認識を有していたと認められます。しかし、A1氏は自動車販売事業の運営をA2氏らに全面的に委ね、売上の先行計上をやめさせるよう指示したり具体的な行動を取ったりすることはなく、これを容認していたと考えられます。
A1氏は、納車テイの具体的な台数や金額などの詳細まで認識していたという事実や、A2氏らに対して売上の先行計上に向けられた具体的な指示をしていたという事実は認められませんが、報告を受けてこれを容認していたものと考えられます。
また、A1氏は、元監査等委員のB1氏から車両納品確認書の偽造が指摘されていた中で、各販売店において当該偽造による売上の先行計上が行われている可能性を認識し、是正するよう指示したことがあると述べていますが、それ以上の対応は採っていませんでした。
さらに、A1氏は、法令上必要な取締役会の決議を経ることなくグッドスピードとの利益相反取引を行っていたことも認められ、コンプライアンス意識が欠如していたと評価せざるを得ません。
これらの点から、A1氏は代表取締役としての責任を十分に果たしておらず、他の業務執行取締役に対するチェック機能を働かせることができていなかったことが大きな問題点として指摘できます。
専務取締役A2氏
A2氏は、グッドスピードの取締役営業本部長として、納車テイによる売上の先行計上を主導的に行っていました。A2氏は自ら、元営業本部長A3氏や営業部長等の営業部門の幹部、さらには経理部長に指示して、納車テイによる売上の先行計上に係る処理を行わせていました。
その主たる目的は、A1氏から示された昨年対比の目標値に従って、自身が設定したグッドスピードの予算を達成させるためでした。
A2氏は、グッドスピードにおいて2015年9月期に売上の計上基準として引渡基準を採用した後も、当該基準を認識しつつ、基準を満たさない車両について売上を計上するための処理を指示し続けていました。
A2氏は、自身が同業他社の売上計上基準について聞いた話を根拠に、引渡基準はあくまでグッドスピードが任意に採用した基準であり、当該基準に必ず合致しなくても違法ではないだろうと考えていたと述べていますが、この供述は容易に首肯しがたく、A2氏は違法性を認識しながら納車テイを実行していたものと認められます。
また、A2氏は棚卸時の車両移動や内部監査室長への目隠し要請など、不正発覚を回避するための各種措置も主導していました。
これらの点から、A2氏のコンプライアンス意識の欠如は顕著であり、取締役としての善管注意義務に違反する行為を長期にわたって行っていたことが重大な問題点として指摘できます。
取締役兼流通本部長及び元営業本部長A3氏
A3氏は、グッドスピードの取締役営業本部長として、A2氏の指示に従って売上の先行計上のための納車テイに係る処理を営業部長その他の部下に指示していました。
具体的には、決算期末及び四半期末の前後に、当該各期末日までに入金が完了して納車テイが可能な車両のリストをA2氏に送ったり、営業部長その他の部下に対して、当該各期末日までに入金が完了している車両について納車テイに係る処理を指示したりしていました。
A3氏は、グッドスピードにおける売上の計上基準に合致しないことは認識していたものの、それほど悪いことであるという意識はなかったと述べています。
また、A3氏は、上司であるA2氏の指示を断れず、そのような上司と部下の関係は取締役に就任した後も変わらなかったと説明しています。各販売店の判断による売上の先行計上がなされた事実を認識した際に、その処理を行った店長に対し止めるよう伝えたことがあったとのことですが、全社的な対応策は採っていません。
これらの点から、A3氏は取締役としての責任を十分に認識せず、コンプライアンス意識が著しく低下していたことが大きな問題点として指摘できます。また、A2氏からの指示に対して適切な判断や対応ができていなかったことも重要な問題点です。
監査等委員
監査等委員は、売上の先行計上に直接関与した事実は認められませんでした。しかし、元監査等委員のB1氏は、グッドスピードが株式上場する前後の第2四半期末の棚卸の立会いにおいて、在庫リストと実際の棚卸結果の不整合を把握し、A2氏に問い質したところ、車両納品確認書等では納車されていることになっているが実際には納車されていないという事実を認めさせたことがありました。
その後、B1氏は販売店を回って店舗監査を実施する中で、車両納品確認書の偽造が行われている旨の疑義を認識し、特に2022年には、当該疑義を記載した監査調書を経営陣に電子メールで何度も送ったり、リスク・コンプライアンス委員会等の場でも車両納品確認書の偽造の問題について指摘していました。
B1氏の後任の常勤監査等委員であるB2氏も、B1氏の指摘内容を把握していました。しかし、監査等委員は、売上の先行計上について、車両納品確認書の偽造の疑義を通じて、その可能性を認識し得たものの、具体的に売上の先行計上が行われていることを認識するには至りませんでした。
また、B1氏退任後は、車両納品確認書の偽造に関する指摘や調査が継続して行われなかったことが問題点として挙げられます。
これらの点から、監査等委員は不正の兆候を察知しながらも、十分な調査や是正措置を講じることができず、監査機能を適切に果たせなかったことが大きな問題点として指摘できます。
内部監査室の関与・認識
内部監査室の課長(内部監査室長)であるC1氏は、グッドスピードの販売店での勤務経験から、納車テイによる売上の先行計上が行われていることを認識していました。2019年5月に内部監査室の課長に就任後も、店舗監査の中で車両納品確認書の偽造に接し、売上の先行計上が行われている可能性を認識していましたが、是正に向けた対応を採りませんでした。
C1氏は、納車テイは上司からの指示によるものだろうと考え、また、毎期末の慣例行事になっていたため、自分から指摘しても変わらないだろうと思っていたと述べています。
さらに、2022年9月期の決算時には、A2氏から「それ相応の数を前倒しで計上するので、棚卸時には目を瞑ってほしい」と依頼され、これに対して異論を述べることはありませんでした。
C1氏は、組織図上は代表取締役であるA1氏に直接報告することになっていましたが、実際にはA2氏とA4氏から指示を受けており、A1氏への報告や監査等委員、A&Aパートナーズへの情報共有も行っていませんでした。
これらの点から、内部監査室が本来果たすべき独立した立場からの監視・牽制機能を全く果たせていなかったこと、また、不正行為を認識しながら適切な報告や是正措置を講じなかったことが重大な問題点として指摘できます。さらに、内部監査室の独立性が確保されておらず、組織的な問題も存在していたことが明らかです。
経理部の関与・認識
経理部は、営業本部による納車テイの処理が開始された当初から、その事実を認識していたと考えられます。さらに、遅くとも2021年7月頃からは、専務取締役A2氏の指示に基づき、経理部長のD1氏が納車テイの取りまとめを行うようになりました。
D1氏は、A2氏からの指示を受けて、入金済みかつ未納車の車両リストを作成し、各営業部長に対して納車テイの処理を指示していました。
2022年9月末頃からは、経理部がA2氏の指示により直接納車テイの処理を行うようになり、経理部の従業員に対して、納車テイ車両のリストに基づいて自動車販売・整備業務支援システム「extreme」に売上計上月の末営業日を納車日として入力するよう指示していました。
この際、経理部の従業員は車両納品確認書等を確認せずに処理を行っていました。D1氏は、本当は納車テイをやりたくないが、やめさせられないと話していたとのことです。
これらの点から、経理部が不正行為に積極的に関与し、本来果たすべき内部統制の役割を放棄していたこと、また、不適切な会計処理を認識しながらも是正する行動を取らなかったことが重大な問題点として指摘できます。さらに、経理部が営業部門からの不当な圧力に抵抗できない組織構造になっていたことも明らかです。
内部通報制度が有効に機能しなかったこと
グッドスピードとチャンピオン76は内部通報制度を導入していましたが、本件疑義に関する通報実績はありませんでした。その原因として、以下の点が挙げられます。
- 従業員が通報対象や方法を理解していなかった
- 社外通報窓口の存在が周知されていなかった
- グッドスピードでは外部窓口の連絡先を周知していなかった
- チャンピオン76では制度自体の周知が不十分だった
これらの問題により、内部通報制度が有効に機能せず、不正行為の早期発見・是正の機会を逃していたと考えられます。
売上計上時期の操作が可能となるシステム上の問題点
グッドスピードグループの売上計上システムは、車両納品確認書の納車日に基づいて処理が完結する仕組みでした。このため、販売店や経理部が実際の納車日と異なる日付を入力することで、容易に売上の先行計上が可能でした。
個人による意図的な操作を許すこのシステム上の脆弱性が、不正会計の発生原因の一つとなっていました。